・密度の高い計画をしている。道路に面した西・南側とは違い、北側と東側は隣接する建物との関係で比較的暗くなりがちだが、そこをあきらめずに工夫して過ごしやすいスペースや光に満たされた空間を目標にし、その目標に対してどうしたらよいのかよく思考されているのがわかる案。図面でみるとダイヤグラムっぽく室があるだけに見えてしまうかもしれないが、テラスがあったり、水盤に面してヴォイドがあったり、そのむこうにある窓に建物が映りこんだりしながら、様々な光や風景が生き生きとして建物の中で展開している。
・模型写真の表現がわかりづらい。各室からのシーンの写真がそれぞれあるとシークエンスがみえてくるし、建物全体を理解しやすかったのではないだろうか。
・平面図において、外部であるテラスなどにテクチュチュアを入れてあげるだけで、内部と外部の入りくんだ様子がより一層わかりやすくなる。
・H鋼のラーメンで南北方向にブレースが入る案だが、先週からのプランニングの変更により、1階のX1、Y2-3間の重要なブレースがなくなってしまった。
・立面図において、壁と開口、窓の違いがわかりづらい。ブレースがある所はきちんと表記すること。また、断面図での地中梁の表現が違う。
・1階事務所エントランスは、南側道路からのアプローチではなく、中庭のみえる東側からにして、道路からは事務所の様子がよく見えるようなプランニングでもありえたのではないだろうか。
・ブレースが必要だからといってそこを壁で塞いでしまうのではなく、構造的なエレメントと外壁の仕上げとを区別して考えることはできる。ブレースを露出させて開口部にすることもできる。
・全員に共通していえるが、外部と内部を描きわけることでやりたいことがもっとわかりやすくなる。するとこの案も南北方向だけでない十字にクロスしてプランニングされているのがみえてくる。
・公園や海などとの関係など言葉ではいろいろと言うが、図面で表現しきれていない。
・面白い空間ができているとは思うが、足し算ではなく引き算的にもう少し整理した方が良い。